糖尿病講座6 : 日本で一番古い糖尿病患者さんは光源氏???

1997年11月に神戸で開催された糖尿病国際学会記念切手
1997年11月に神戸で開催された糖尿病国際学会記念切手

インスリンとは胃と十二指腸にくっついて肝臓と隣り合わせに位置している膵臓のランゲルハンス島から分泌される血糖値を下げるホルモンです。

実は体の中で血糖値を上げるホルモンはいくつかあるのですが、下げるホルモンはインスリンだけなのです。
だからこのインスリンというホルモンの不具合が起きるとほかに血糖値を下げる手段がないために、糖尿病という病気が発症してしますのです。
さてこの糖尿病という病気は3500年前の世界最古の古代エジプト医学書、エーベルスパピルスに「多量 の尿を出す病気」と記述されています。
一方日本では、1027年の平安時代、源氏物語の主人公光源氏のモデルとなったといわれる藤原道長が糖尿病で亡くなったことが知られています。藤原実資の日記「小右記」には、「のどが乾いて、水を多量 に飲む」、「体が痩せて、体力がなくなった」、「目が見えなくなった」という道長の病状が書かれています。
道長の一族は糖尿病家系だったようで、これにほとんど動くことはなく、贅沢な食事だった貴族の生活はまさに糖尿病発症にもってこいだったようです。
下の切手は1997年11月に神戸で開催された糖尿病国際学会記念切手で、日本糖尿病患者第1号の藤原道長が描かれています。
ちなみに6角形の図形は結晶化されたインスリンを表しています。