糖尿病講座2 : 経口血糖降下剤ってインシュリン注射と違うの?

経口血糖降下剤は文字通り“飲んで血糖を下げる”クスリです。
日本人は糖尿病人種ですからこの種のクスリはいろいろあります。
この中で犬猫に使用される報告があるのはスルフォニルウレア(SU)製剤と言われる種類の薬剤です。
これは膵臓のランゲルハンス島からのインスリン分泌を促進させて血糖値を下げる作用があります。
そんなクスリならわざわざ痛い思いをさせて毎日インスリン注射をする必要ないのでは?! まさに“夢の薬!”ということなのでしょうか?

実はこの薬、インスリンの“分泌を促進だけ”をして“合成は促進しない”のです。
ですからランゲルハンス島の中に作られたインスリンがあるうちはたくさん分泌されますが、なくなってしまったらもう分泌されず効果がなくなってしまうのです。
しかもこの状態を続けるとランゲルハンス島自体が壊れてしまい、二度とインスリンを分泌できなくなってしまいます。
ですからインスリン注射をすることはランゲルハンス島を守ることにもなり、人でも早めのインスリン注射を推奨しています。
このことは犬猫の糖尿病でも同じで、特に猫では一時的な糖尿病になっていることもあるので、インスリン注射をすることにより糖尿病状態を離脱できることがあります。

もしお悩みのことがありましたらご相談ください。