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副腎皮質機能低下症(アジソン病)

犬の内分泌病としての発症率は低い疾患ですが、最近増加傾向にあります。
副腎皮質ホルモンのうち糖質コルチコイドのみが分泌不全となるのを非定型。糖質及び鉱質コルチコイド双方が分泌不全となるものを定型といいます。猫では非常に珍しい疾患となります。

副腎ってなに?

副腎は腎臓の頭内側にあるとても小さな臓器です。 髄質と皮質に分かれていて、皮質はさらに球状帯、束状帯、網状帯の3層からできています。
球状帯はアルドステロンをはじめとする鉱質コルチコイド、束状帯はコルチゾルをはじめとする糖質コルチコイド、網状帯は性ホルモンをそれぞれ合成分泌します。
糖質コルチコイドはいわゆるステロイドホルモンといわれるもので、血糖値を上昇させるほかに、ストレスを中和するなどの働きがあります。
鉱質コルチコイドは腎臓に作用して電解質(ナトリウムトカリウム)のバランスと、水分量を整える働きがあります。

病因

副腎皮質が自己免疫により破壊される疾患で、若齢でも発症するという特徴があります。

症状

定型、非定型ともに糖質コルチコイドの低下により、最初はストレスに対して反復した下痢、嘔吐、食欲低下、震えなどの症状が見られますが、必ず出るわけではなく、見過ごされることが多く、次第に頻度が多くなってきます。

さらに定型では鉱質コルチコイドの低下により、脱水や電解質のバランス異常から前述の症状を増悪させ、高尿素窒素血症をともなってアジソンクリーゼ(副腎クリーゼ)とよばれるショック症状を引き起こします。

治療

通常フロリネフという内服薬による内科的治療が主体となりますが、この製剤が合わない症例が2〜3割いる(実際にはもっといると思われる)といわれ、症状が残っていたり、副作用が出てしまいます。

このため当院では定期的なピバル酸デソキシコルチコステロン(パーコーテンV®)の注射による治療を積極的に行っています。 この治療法はアジソン病の全症例に有効であり、良好なコントロールが可能となります。 

初診は外来枠で承りますが、事前のご連絡とデータのご持参をお願い致します。

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