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甲状腺機能亢進症

猫では内分泌疾患の中で最も発症率が高く、多くは8歳以上で発症し、有病率は3〜4%といわれています。

甲状腺ってなに?

のど(気管)の両脇にある一対の器官で、おもな働きとして、熱産生、血圧調整、血糖上昇などを行っています。

病因

腫瘍性の病変で、良性の腺腫と悪性の癌腫があり、欧米では両側性に対して東アジア(日本)では片側性が多いといわれています。

腫瘍化した甲状腺は拡大しますが、容易に触れることができるものから注意深く触ることでやっと分かるものまであります。また、大きくなって重くなることで胸の方に移動することもあります。

症状

多飲多尿、多食、嘔吐・下痢、体重減少、被毛の粗剛、その他には涼しいところを好むや攻撃的になるなどがありますが、全てが必ず出るわけではありません。そして老齢にともなう行動として見過ごされることが多く、よく食べているのに痩せてきて気づかれることがあります。

治療

外科療法と内科療法があります。外科療法は腫瘍化した甲状腺の切除となりますが、心不全や腎不全が併発していたり、老齢では困難となります。

内科療法はチアマゾールという内服薬の服用が主体となります。この内服薬の作用は甲状腺のホルモン合成阻害であり、甲状腺を破壊して機能亢進症を治すものではありません。このため、一生服用する必要があります。服用が困難であったり、副作用(食欲不振、顔面の掻痒など)が頑固な場合には外科療法の適応を検討します。

このほかヨウ素制限食による治療法がありますが、他の食事を併用できないことや一生食べ続けなければならないなどの問題があります。

当院では内科療法を行っています。初診は外来枠で承りますが、事前のご連絡とデータのご持参をお願い致します。

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