甲状腺機能低下症
犬では副腎皮質機能亢進症に次いで多い内分泌疾患であり、多くは中〜高年齢で発症するが、若年齢での発症もみられます。
甲状腺ってなに?
のど(気管)の両脇にある一対の器官で、おもな働きとして、熱産生、血圧調整、血糖上昇などを行っています。
病因
自己免疫性の甲状腺炎と特発性甲状腺萎縮があり、おもに前者は若年齢、後者は中高年齢となります。いずれにしても診断時に甲状腺は重度の萎縮をしています。
症状
元気消失・運動不耐、低体温・温かいところを好む、体重増加、便秘、脱毛・皮膚肥厚、そのほかに顔面のむくみ(粘液水腫)などがみられますが、全てが必ず出るわけではありません。そして老齢にともなう行動として見過ごされることが多く、それほど食べていないのに太ってくることで気づかれることがあります。
甲状腺ホルモンの低下により診断されますが、クッシング症候群、糖尿病、腎不全など他の疾患などでも甲状腺ホルモンは低下することがある(ESSとよばれます)ために注意が必要です。
治療
レボチロキシンとよばれる甲状腺ホルモン製剤による内科的治療が主体となります。服用量は個人差があり、多量になると高血圧症などの副作用を引き起こすため、定期的に甲状腺ホルモンの測定を行う必要があります。
お申し込み
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